カメラで撮った写真をパソコンに取り込んで、現像する際に大きく影響するのがモニターの性能です。
モニターが正しい色が表示できなければ、どんなに時間をかけて調整したとしても現像作業上のモニターで見ていた色と完成した作品を他人が見たときの色や実際に印刷した際の色が異なってしまう可能性がでてきます。

一生懸命、現像する意味ないじゃん!
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だから正しい色が表現できるモニターを選ぼうぜ!
また、現像作業がしやすいのも大事だな。
カメラを始めたばかりの人(僕も含む)は、カメラや良いレンズをそろえれば写真の仕上がりは良くなると考えがち。
しかし、実際には モニター選びで失敗すると、せっかくのRAWデータの魅力を活かしきれません。
写真現像の現場では、「モニターが8割を決める」と言われることもあるほど、重要な役割を担っています。
Adobe Lightroom、Capture One、DxO PhotoLabといった現像ソフトや各カメラ会社の純正ソフトを使う場合もPCモニターの重要性は変わりません。
「最初の1台をどう選べばいいのか?」
「自分に必要なスペックはどれなのか?」
本記事では、写真現像に必要なモニターのスペック(色域・解像度・サイズ・キャリブレーションなど) をわかりやすく解説し、さらに 初心者からおすすめできるモデル を価格帯別に紹介していきます。
目的に合わせたモニター選びの基準
写真現像用のモニター選びで一番大切なのは、「自分が最終的にどんな形で作品を見せたいか」 を基準にすることです。



SNSにアップするのか、家でプリントするのか、それともコンテストや商業印刷に出すのか、って感じか。
- SNS投稿がメイン → sRGB対応のコスパモデルで十分
- 印刷・プリントするなら → AdobeRGB対応モニターがおすすめ
- 作品づくりを追求するなら → プロ仕様モデルで確実に色をコントロール(ハードキャリブレーション対応モニター)
以下、それぞれの必要スペックを紹介していきます。
この基準を知っておくだけで、たくさんあるモニターの中から「自分に合った1台」を見つけやすくなります。
SNSやWeb投稿が中心の人
項目 | 推奨内容 |
---|---|
モニターサイズ | 27インチ以上 |
解像度 | WQHD以上 |
液晶パネル | IPS |
色域 | sRGB100% |
SNSやブログに写真を載せる場合、表示環境の多くはスマホやノートPCです。
sRGBに対応していれば色のズレは最小限に抑えられます。
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できるだけ手頃な価格で、最低限「色を正しく出せる」モニターを選ぶのがコツじゃな!
家でのプリントやフォトブック制作もしたい人
項目 | 推奨内容 |
---|---|
モニターサイズ | 27インチ以上 |
解像度 | 4K |
液晶パネル | IPS |
色域 | AdobeRGB 90%以上 |
プリントを意識すると、紙に出したときの色味を忠実に確認できることが重要になります。
特に、AdobeRGB対応モニターなら、空や草木のグラデーション、肌の色調を自然に再現できます。
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「印刷したらイメージと違った!」という失敗を防ぐためにも、このスペックのモニターを狙おう!
コンテスト出品・商業印刷・仕事で使いたい人
項目 | 推奨内容 |
---|---|
モニターサイズ | 27インチ以上 |
解像度 | 4K |
液晶パネル | IPS |
色域 | AdobeRGB 99% |
色精度 | ΔE < 2 |
その他機能 | ハードウェアキャリブレーション対応 |
作品の完成度や信頼性が問われる用途では、プロ仕様のモニターが必須!
EIZOやBenQの上位機種は、均一性や経年劣化への強さも考慮されているため、正確な色を表示し続けてくれるので、安心して使えます。
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長期的に投資として選ぼう!
作業効率と仕上がりの安定感が格段に上がるので、良い作品がたくさん生まれるよ♪
写真現像に必要なモニタースペックを解説(深掘り)
ここからは、写真現像に不可欠なPCモニターのスペックを具体的に解説していきます。
- 色域
- 解像度
- パネル方式
- キャリブレーション
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スペックと聞くと難しく感じるかもしれませんが、ポイントをおさえれば意外とシンプルだよ!
あと、詳しいことはコチラの記事でも説明しています。


色域と色精度:sRGB/AdobeRGB/DCI-P3の違い
写真現像を行う際に、モニターが表示できる色の範囲(=色域) と その色をどれだけ正確に映せるか(=色精度) が不足していると、完成品の色に差異が生じることになります。
つまり、モニターの性能が不足していると、「見えていない色」と「正しくない色」の中で現像作業することになり、仕上がりが本来の写真とかけ離れてしまう わけです。
色域などが狭いモニターでは、Adobe Lightroom、Capture One、DxO PhotoLabといった現像ソフトでどれだけ調整しても見えていない色を扱えないため、完成度に限界が出てしまいます。
モニターの色域が狭い → 実際には写っている空のグラデーションや花の鮮やかさが再現できず、地味な色に見えてしまう
色精度が低い → モニター上では自然な肌色に見えても、プリントしたら赤っぽく転んでしまう
モニターの表示の正確さを表すのが、色域と色精度です。
色域とは
色域とは、モニターが表示できる色の範囲のこと。
イメージとしては、「絵具の種類」というようなもの。
色域が広ければ、より多彩で自然な色合いを再現できます。


出典:SilkyPix「写真の色空間について」
sRGBとAdobeRGBでは表示できる色域が異なり、AdobeRGBはより広い範囲をカバーしています。
- sRGB
WebやSNSで使われる標準的な色の範囲 - AdobeRGB
sRGBより広く、特に緑や青の表現に強い - DCI-P3
映像制作や映画業界で標準的に使われる色域
InstagramやX(Twitter)などのSNSに写真を載せるなら、sRGB 100% カバーのモニターで十分。
プリントやフォトブック制作、コンテスト応募など印刷する人に必須なのがAdobeRGB対応のモニター。
動画編集と写真編集を兼用するならDCI-P3対応のモニターも注目したいところ。
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まずは写真をどこで見せたいかを考えて、必要な色域を決めるのがおすすめ!
色精度とは
色精度とは、どれだけ正確に色を再現できるかを示す指標。
色域が色鉛筆の本数だとしたら、色精度はその鉛筆が正確に描けるかといった具合。
よく使われるのが ΔE(デルタE) という数値です。
数値が小さいほど色の誤差が少ないことを意味します。
ΔE ≦ 1 : 専門家向け。人の目ではほとんど判別できない精度
ΔE ≦ 2:写真や印刷業界など、商業レベルで求められる高精度
ΔE ≦ 3 :一般的に人の目でほとんど違いが分からない範囲
キャリブレーションの重要性
PCモニターは新品のときが最も色が正確ですが、どんな高性能なPCモニターを使い続けたとしても使い続けるうちに少しずつ色がズレていきます。



色がズレたモニターを使い続けていると自分が塗った色が合わなくなり、SNS投稿や印刷物をみたとき、「思っていた色と違う!」なんてことに。
このモニターの経年劣化による色ズレを防ぐのが キャリブレーション(色の再調整)です。
専用の機器やソフトを使って、モニターが本来の正しい色を再現できるように調整するのです。
キャリブレーションには、ハードウェアキャリブレーションとソフトウェアキャリブレーションの2種類があり、正しい色彩の調整をどこで行うかに違いがあります。
- ハードウェアキャリブレーション
キャリブレーション対応モニターに加えて、専用機器(測色器)で内部の色設定を直接補正する方法
- ソフトウェアキャリブレーション
キャリブレーション機器を使って、ソフトウェアやOSの機能で色を調整する方法
趣味レベルなら、まずは出荷時にキャリブレーション済みのモニターを選ぶだけでもOKです。
印刷でも正確に色を出したい!!
と思ったら、キャリブレーション機器を導入すると安心です。
より正確な色を維持していきたいのであれば、ハードウェアキャリブレーション対応モニターを選ぶのがおすすめ。



どれくらいの頻度でチェックすればいいんだい?
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初心者や趣味レベルの人は数カ月くらいに1回程度でO.K
印刷や所業レベルで扱う人は、月1回はチェックしたいところ
定期的なキャリブレーションで正しい色を保つことで、「自分の塗った色と実際のイラストの思っていた色と違う!」といった違和感を減らすことができます。
パネル/バックライト比較:IPS・ミニLED・OLEDの強みと注意
写真現像に使うPCモニターを選ぶとき、画質を大きく左右するのがパネル方式とバックライトの仕組みです。
- IPS
色の正確さと安定感(写真現像の基本・王道) - ミニLEDバックライト
液晶をさらに進化(階調重視派) - OLEDパネル
自発光で究極の黒(表現力抜群だが扱いに注意)
IPSパネル(現像用の定番)
液晶モニターのIPSパネルは、色を正確に映せる仕組みを持っています。
ちなみに、液晶パネルにはIPSパネルの他にTN、VAパネルがありますが、写真RAW現像のモニターはIPSパネル一択で問題ありません。
IPSパネルの特徴は視野角が広く、どの角度から見ても色や明るさの変化が少ないです。
色の再現性が安定していて長時間の編集作業でも信頼できる一方で、黒の表現力はやや弱く、コントラスト比はOLEDに劣ります。
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写真現像用として最も無難で、多くのプロやアマチュアが選んでいる方式です。
ミニLEDバックライト(高輝度・高コントラスト)
ミニLEDバックライトは、液晶パネルに光を当てる仕組みのこと。
明るさが高くハイライトからシャドウまで豊かな階調を表現でき、HDR対応の写真や動画編集にも強いです。
IPSパネルと組み合わされることが多いが、均一性にバラつきが出るモデルがあり、価格はやや高め。
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RAWデータのハイライトや暗部をしっかり確認したい人におすすめ。
OLEDパネル(黒の表現力に圧倒的強み)
OLEDは、液晶のように後ろから光を当てるのではなく、画素ひとつひとつが自分で光る仕組みです。
これにより本物の黒を表現でき、コントラストがとても高くなるため、夜景や暗部の表現が圧倒的に美しい。映像制作にも強いです。
長時間の静止画表示では、焼き付きのリスクがあり、価格も高め。
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写真現像だけでなく動画編集も行いたい人には魅力的。
モニターサイズ × 解像度 (作業効率に直結)
撮影した写真のRAW現像では、「モニターの大きさ」と「解像度」の組み合わせが、作業のしやすさを大きく左右します。
モニターサイズ
PCモニターが小さいとキャンバスやツールを同時に表示しづらく、逆に大きすぎると視線移動が増えて疲れやすくなります。
よって、写真現像で使用するモニターは、27インチ以上が適切です。
これから紹介する解像度を含めると、27インチ未満のモニターで、WQHDや4Kのモニターはほぼ発売されていないため、27インチから32インチまでの大きさのモニターを選ぶと良いでしょう。
解像度
解像度とは、モニターに表示されるドット(ピクセル)の数のこと。
数字が大きいほど表示できる情報量が増え、細かい部分までくっきり見えるようになります。
モニターの解像度は、以下の3種類が主流です。
- フルHD(1,920×1,080)
- WQHD(2,560×1,440)
- 4K(3,840×2,160)
4Kモニターが主流になりつつあります。
4Kでは写真の細部(特に髪の毛や葉脈)などがくっきり見えますが、WQHDと比較するとPCに若干の負担がかかるため、PC性能に不安がある人はWQHDも選択肢に入れると良いでしょう。
WQHDは、解像度と価格のバランスが良く、写真のRAW現像で使用するにも十分なモニター解像度です。
一方で、フルHDは、写真現像にはきめ細やかな情報が不足してしまうので、おすすめしません。
- 27インチ4K
自宅作業で細部をくっきり見たい人に最適(初心者におすすめ!) - 32インチ4K
プリントも視野に入れ、本格的に取り組みたい人におすすめ - WQHD
コストを抑えて現像を始めたい人や、PCの性能に余裕がない人向け
輝度設定・反射対策:作業環境で色は変わる
真現像では、モニターそのものの性能だけでなく、作業環境の明るさや照明の種類も仕上がりに大きく影響します。



同じ写真でも「昼間の窓際」と「夜の蛍光灯の下」では見え方が変わるね!
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環境光の影響でモニターの色の見え方に干渉してしまうからね…
以下の作業環境を意識すると良い作品作りに集中して行うことができます。
輝度の設定
モニターの明るさが高すぎると、画面では明るく見えてもプリントすると暗く感じてしまうことがあります。
逆に暗すぎると、必要以上に写真を明るく調整してしまうことにも。
そういったことにならないように、輝度の設定を適切に行いましょう。
- SNS投稿がメイン → 120〜160 cd/m² が目安
- 印刷・プリントするなら → 80〜120 cd/m² が目安
反射対策
周囲の環境光がモニターに映り込むと、正確な色が見えません。
モニターの表面処理は、ノングレア(非光沢)モニターを選ぶと良いです。
目の負担も掛からないのでおすすめです。
また、モニターフード(遮光フード)があるPCモニターだと、窓や照明の反射や映り込みを防げるので、作業効率が上がります。
接続端子:DisplayPort接続がおすすめ
PCとモニターを接続する際に、HDMIやDisplayPort、DVIといったケーブルで接続します。
PCモニターにこれらのポートがあるかどうかのチェックはあらかじめしておく必要があります。
接続方法によって、PC本体からモニターへの信号の届き方が異なるため、映像や画像が正確に反映しないことがあります。
写真現像作業で必要な高解像度(4K以上)・高リフレッシュレート・広色域 の信号を安定して伝送できるのがDisplayPortでの接続です。
4K・10bitカラー(約10億色)を正しく表示できるので、写真現像で求められる正しい色・細部までの情報を安定してやり取りできるのはDisplayPortが一番安心です。
一方で、最新のHDMI規格なら十分ですが、世代規格によってバラつきがあり、安定性に欠けてしまいます。
DVIなどの他の接続方法は、規格が古く、4Kに対応していないなどの弱点があるので写真現像作業で選ばないようにしましょう。
リフレッシュレート・応答速度
写真現像作業自体では、リフレッシュレートや応答速度はそれほど重要ではありません。



せっかくならゲームも快適に楽しみたい!
こんな人もいると思いますので、リフレッシュレートや応答速度もチェックしておくと満足度が上がります。
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ゲームジャンルごとに必要なリフレッシュレートや応答速度をまとめた内容です。メインで遊ぶゲームから選んでみよう!


リフレッシュレート
リフレッシュレートとは、1秒間に画面を更新する回数を表す数値(単位:Hz)のこと。
リフレッシュレートの数値が高いほど、カクつかずに滑らかな映像でゲームをプレイすることができます。
- 60Hz:通常の作業や写真現像作業には十分(そもそも写真、動かないし…)
- 100〜144Hz:FPSやアクションゲームで動きが滑らかにプレイできます。
カーソルのカーソル追従感も良くなるため、若干写真現像作業の効率性アップ!?
写真RAW現像作業だけの活用であれば60Hzで十分!
ゲームも快適に遊びたい人は100〜144Hz対応のモニターを選ぶのがベター。
応答速度
応答速度とは、画面の色が切り替わる速さ(単位:ms)を表す。
数値が小さいほど切り替えが速く、映像に残像が出にくくなります。
- 5ms以下 なら残像をほとんど感じず、ゲームも問題なし。
もちろん写真RAW現像作業の利用も無問題で、応答速度はそこまで重要ではありません。
以上を踏まえて、「写真RAW現像作業が主目的だけど、ゲームも楽しみたい!」という人は、以下のスペックを有するモニターがおすすめ!
- 写真RAW現像専用 → 60Hz / 応答速度は一般的なものでよい。
- 写真RAW現像兼PCゲーム → 100〜144Hz / 応答速度1〜5msのIPSモニター
目と姿勢のケア(作業時間=生産性)
写真現像作業は、ジっとモニターとにらめっこして、長時間の作業になりがち。
せっかく良いモニターを買っても、目が疲れる・姿勢が崩れる環境では作業効率が下がってしまいます。
モニター選びでは描きやすいスペックだけでなく、目や身体に優しい機能や環境づくりも意識することも大切です。
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目の優しさ、身体の負担軽減できる機能があるとよいぞ!
- フリッカーフリー
画面のチラつきを抑える機能。長時間作業でも目の負担を軽減
ブルーライトカット機能は、現像作業中は、色温度を下げてしまい、正しい色再現を妨げてしまう。
(現像作業中は機能OFFにし、現像以外の作業ではOnにするなどの工夫が必要)
- 高さ調整・チルト(上下角度調整)
目線と水平に合わせることで首や肩の負担を軽減 - ピボット(縦画面回転)・スイベル(左右回転)
縦長のイラストや漫画原稿を描くときに便利
基本的にはこの2つの機能を押さえておけば大丈夫です!
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作業環境に快適性をさらに求めるのであれば、モニターアームや椅子(チェア)にもこだわりたいところですね。
モニターアームがあれば、好きな角度・高さに調整可能で作業に集中できるし、机のスペースが広がり、左手デバイスなど周辺機器を置くこともことができます。


正しい椅子と机の高さを意識することで、長時間の作業でも姿勢が崩れにくいので、集中してたくさんの写真現像の作品作りをすることができます。


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高いけど、12年保証だし、これを買えばよかった後悔しているワシ…
写真現像用モニター選びで失敗しないためのポイント
これまでの内容を踏まえて、写真用現像用モニター選びで失敗しない主なポイントをまとめておきます。
- 写真等の使用目的に合わせたモニターを選ぶ
- 色域、色精度といった色の正確性の表現
- 予算配分
- 保証・サポート体制を確認
- 作業環境を整える
写真等の使用目的に合わせたモニターを選ぶ
自分の撮った写真をどのように活用するかで選ぶモニターの基準が変わります。
- SNS投稿がメインなら
sRGB対応のコスパモデルで十分 - 印刷・プリントするなら
AdobeRGB対応モニターがおすすめ - 作品づくりを追求するなら
プロ仕様モデルで確実に色をコントロール(ハードキャリブレーション対応モニター)
色域、色精度といった色の正確性の表現
sRGBやAdobeRGB、DCI-P3を広くカバーしていても、色精度(ΔE)が低いと意味がありません。
色域の広さに加えて、色精度の高さも意識しましょう。
- sRGB
WebやSNSで使われる標準的な色の範囲 - AdobeRGB
sRGBより広く、特に緑や青の表現に強い - DCI-P3
映像制作や映画業界で標準的に使われる色域
ΔE ≦ 1 : 専門家向け。人の目ではほとんど判別できない精度
ΔE ≦ 2:写真や印刷業界など、商業レベルで求められる高精度
ΔE ≦ 3 :一般的に人の目でほとんど違いが分からない範囲
色精度を維持するには、キャリブレーションも大切!
予算配分
カメラやレンズにお金をかけたくなる気持ちは自然ですが、現像の完成度を決めるのはモニターです。
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カメラグッズにお金をかけて、モニターにまったく金をかけなかったワシはいったい…
- 趣味なら 3〜5万円クラスからスタートでOK
- プリントや本格用途なら 10万円前後を視野
- プロ仕様は 20万円以上の投資が必要
保証・サポート体制を確認
モニターは精密機器であり、使うほどに色や明るさが変化しますので、長くて安心して使用できるモニターを使いましょう。
EIZOやBenQの写真向けシリーズは、長期保証や無輝点保証を用意しているので安心なので、中級者以上の方は、まずは検討していきたいメーカーです。
長く使い続けるものなので、サポートや保証期間は必ずチェックしておきたいところ。
作業環境を整える
AdobeRGB対応モニターを買っても、部屋の照明が黄色っぽかったり、窓の光が強すぎると正しい色に見えません。
作業部屋の照明環境などもしっかり見直すと良いでしょう。
モニターの輝度を設定したり、反射対策などを行っていきたいところ。
- SNS投稿がメイン → 120〜160 cd/m² が目安
- 印刷・プリントするなら → 80〜120 cd/m² が目安
また、反射対策として、ノングレア(非光沢)モニターを採用しつつ、モニターフード(遮光フード)があるPCモニターを検討すると良いでしょう。
PC本体からのモニターへの接続も写真データがモニターに正確に反映させるために重要です。
HDMIケーブルなどいろいろなケーブルでの接続がありますが、DisplayPort接続がおすすめとなります。
【価格帯別】写真現像用のおすすめモニター
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ここからは、これまでの内容を踏まえて、写真現像におすすめのモニターを 価格帯別に紹介していくぞ!
初めての1台からプロ級の安心のモデルまで、レベルに応じたものたちです。
入門モデル(〜5万円台:趣味・初心者向け)
写真現像をこれから始める方は、まずは5万円以下のエントリーモデルからがおすすめです。
価格を抑えつつも、色の再現性や使いやすさを兼ね備えた機種もあるので、初めての現像作業を安心して始めることができます。
SNSやWeb中心に現像した写真を投稿する人にはピッタリな価格帯です。
ASUS ProArt Display PA278QV
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100 % | カラーレポート | 出荷時校正済み ΔE<2 の精度 |
ASUS ProArt Display PA278QVは、写真現像をこれから始めたい人にとって もっとも手を出しやすい入門用モニター のひとつです。
sRGB 100%・出荷時校正済みという確かな色再現力で、色ズレの心配が少ないという安心感を与えてくれます。
WQHD解像度による快適な作業環境は、写真の色とディテールをしっかり確認するのに十分。
価格も手ごろで、まずは本格的な現像環境を整えたいという方にはピッタリなモデルです。
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プロ仕様までは必要ないけれど、写真の色を正しく見たい!
そんな思いを叶えてくれる最初の一台にうってつけです。
MSI MAG 274QF
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100 % Adobe RGB 93 % DCI-P3 95% (いずれも非公式) | リフレッシュレート | 240Hz |
MSI MAG 274QFは、写真現像用モニターの入門機だけでなく、ゲーミング兼用派にも最適な1台とも言えます。
広色域による色鮮やかな表示は、写真の階調や色味をしっかりと感じ取りやすく、普段から映像・ゲームも楽しむ人にはコストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。
ただし、色精度を保証するプロ校正機能はないため、商業印刷まで想定する方は一歩上のAdobeRGB対応モデルを検討するのがおすすめです。
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ゲームも写真も、どちらも本気で楽しみたい!
そんな欲張りな人に応えてくれる、頼れるモニター。
IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JLAQ


サイズ | 27インチ | 液晶パネル | AHVA(IPS系の高速応答) |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100% AdobeRGB 100% DCI-P3 98% | リフレッシュレート | 180 Hz |
写真現像を本気で始めるなら、IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JAはコスパを重視する人に強くおすすめしたい一台です。
sRGB100%の正確さ、WQHDでの見やすさ、そして 180Hz の快適さでゲーム兼用モニターとしても活躍できます。
編集作業で、スクロールや拡大縮小がもたつくといったストレスから解放されるのが大きな魅力です。
Adobe RGB 100%と謳っていますが、完全対応モデルと比べると色域の余力が若干少なく、人によっては「もう少し正確さが欲しい」と感じるかもしれません。
しかし、最初の一歩として、RAW現像を趣味にする・投稿やプリント用途も考えるときに、このモニターは十分に期待できる性能を持っています。
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「最初の現像環境に、必要十分な機能を、できるだけ無駄なく。」
それを叶えてくれるモニターです。
ステップアップモデル(5〜10万円台|プリントや本格用途)
趣味から一歩進んで、Web上の投稿からプリントや作品づくりにもしっかり取り組みたい方にはこれから紹介するステップアップモデルがおすすめ!
色域やキャリブレーション対応など、現像作業に欠かせない性能を備えており、作品の完成度を確実に高めてくれます。
BenQ PD2705Q
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100 % | カラーレポート | 出荷時校正済み |
BenQ PD2705Qは、これから写真現像を始めたい人にとって心強い相棒となってくれるモニターです。
AdobeRGBは90%に到達せず、印刷などには不向きですが、sRGBを100%カバーし、出荷時キャリブレーションで色精度も確保されていることからWebやSNSにアップする写真を安心して仕上げられる環境が整えられています。
さらに、USB-Cでの65W給電やデイジーチェーン対応など、作業効率を上げる機能も充実しているのが嬉しいポイント。
これから写真の現像に挑戦したい、趣味の写真をもっと綺麗に見たいという人には、まずは選択肢の候補として選んでほしいモニターです。
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最初の現像モニター選びで迷ったら、このモニターを選べば満足できるぞ!
MSI MAG 274QPF X30MV
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | Rapid VA |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100% AdobeRGBカバー率 99% DCI-P3カバー率 97% | リフレッシュレート | 300 Hz |
写真現像用モニターとして、次のステップを求めているあなたへ送る一台。
このモニターは広色域、高輝度、そして高コントラストを兼ね備え、写真の明暗や色の階調をリアルに浮かび上がらせます。
暗いシャドウから明るい部分までの階調の自然なつながり、プリント用途にも耐えうる AdobeRGB 対応度合いなど、細部までこだわる人にふさわしい仕様です。
また、操作面の快適さも見逃せず、ズームやスクロールが多くなる現像作業でも、動きが滑らかなので目の疲れや手のストレスが減ります。
将来、印刷や展示を視野に入れて活動したい人にとっては、このモデルは長く満足できる投資となるでしょう。
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色も暗さも明るさも、妥協したくない!
写真現像の表現の幅を確実に広げてくれる一本です。
PHILIPS 27E2F7903/11


サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | 4K | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100% AdobeRGB 108% DCI-P3 98% | カラーレポート | 出荷時校正済み ΔE<2 の精度 |
PHILIPS 27E2F7903/11は、RAW現像を趣味レベルから一歩進めたい人にピッタリのステップアップモデルです。
AdobeRGB・DCI-P3をほぼフルカバーする広色域、4K解像度による高精細表示、そして深いコントラスト。
暗部から明部までの階調をしっかり確認できるので、写真の表現力を余すことなく引き出せます。
さらに、Thunderbolt 4/USB-C給電に対応しており、ノートPCを使ったワークフローもスッキリ快適です。
出荷時キャリブレーション済みで、購入直後から安心して色を扱えるのも大きな魅力です。
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写真データを細部まで活かしたい!
その願いを叶えてくれる1台です。
プロ仕様(10万円以上|商業・コンテスト・仕事向け)
商業印刷やコンテスト出品など、作品の完成度を最優先にしたいという写真現像の極みを目指す方には、プロ仕様モデルが最適です。
高精度な色再現や均一性補正、ハードウェアキャリブレーション対応など、長期にわたり安心して使える性能を備えています。
BenQ SW272Q
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100% AdobeRGB 99% DCI-P3 98% | 色精度など | 出荷時校正済み ΔE≦1.5 の精度 ハードウェアキャリブレーション対応 |
現像を仕事として、商業用途・コンテスト出品を視野に入れるなら、BenQ SW272Qは期待を裏切らないでしょう。
AdobeRGB 99%・DCI-P3 98% の広い色域、出荷時 ΔE 極小・ハードウェアキャリブレーション対応など、色の再現性・階調表現ともにプロの要求に応える仕様がしっかり備わっています。
Nano Matte コーティングが光の映り込みを抑え、USB-C 給電や Hotkey Puck によるモード切り替えなど使い勝手も高め。
モニター画面上で見て感じる色がプリントや展示品として出したときに近くなるよう設計されており、スクリーンと現像後の完成品の結果とのを減らせるのが最大の魅力です。
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「完璧を追求するなら、妥協は不要」の言葉を体現するモニターです。
EIZO CS2731
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | WQHD | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100% AdobeRGB 99% DCI-P3 95%以上 | 色精度など | 出荷時校正済み ハードウェアキャリブレーション対応 |
EIZO ColorEdge CS2731は、写真現像を趣味の範囲から飛び出し、商業印刷やコンテスト応募、クライアントワークを見据える人に最適なモニターです。
AdobeRGB 99%の広色域、均一性補正による安定した表示、そしてColorNavigatorによるハードウェアキャリブレーション対応で色ズレを長く防いでくれるので、安定して長く現像作業を使い続けていきたい人におすすめ。
まさに「作品を仕上げる」ための道具として信頼できるスペックを備えています。
さらに、USB-C給電でノートPCとの接続もシンプルで嬉しい。
5年保証というEIZOならではのサポートも含め、長期的な投資にふさわしい安心感があります。
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作品の完成度レベルを一段でも上げたい!
その思いを形にするために確かな色と表示の安定性を提供してくれるモニターです。
EIZO CS2740
サイズ | 27インチ | 液晶パネル | IPS |
---|---|---|---|
解像度 | 4K | 表面処理 | ノングレア |
色域 | sRGB 100% AdobeRGB 99% DCI-P3 93% | 色精度など | 出荷時校正済み ハードウェアキャリブレーション対応 |
EIZO ColorEdge CS2740は、写真現像を本気で極めたい人に選ばれるべきプロ仕様モニター。
AdobeRGB 99%の広色域と4K解像度で、写真の色とディテールを余すことなく表示できるので、細部までの調整ができます。
また、モニターの出荷時から校正済みで、さらにColorNavigatorを使ったハードウェアキャリブレーションで精度を維持できます。
長時間作業でも安定した表示を支えるユニフォーミティ補正や、USB-Cでの簡単接続、そして5年保証という安心感もありがたい。
写真データを作品に仕上げたい人にとって、まさに水魚の交わりといえる一台です。
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最高の作品を仕上げたい!
その願いはこのモニターで!
まさに臥龍を得るが如し
写真現像用モニターによくある質問
- sRGB 100%対応モニターでも現像はできますか?
-
全く問題ありません。
WebやSNSでの公開が目的なら十分過ぎるくらい。
ただし、プリントやフォトブック制作を考えているなら、AdobeRGBに対応したモニターの方が仕上がりが安定しますよ!
- AdobeRGBやDCI-P3対応モニターはプロ専用ですか?
-
「プリントに挑戦したい」、「色をの彼方を追求したい」という趣味で使うのも良し、
将来、商用で使用する予定の方におすすめ!
なので、将来を見据えて投資する価値があると言えます。
- キャリブレーションは必ず必要ですか?
-
プリントをしない方やWeb中心なら、出荷時キャリブレーション済みのモニターで十分です。
ただし、印刷を考えている場合は、キャリブレーション機器や対応モニターを使うと安心です。
- 4Kモニターの方が美しいと言われますが、必須ですか?
-
WQHDでも十分な写真現像作業をすることができます。
ただし、4Kは細部まで表現してくれるので、プリントの仕上がりチェックなどに対して有利になります。
写真の活用方法や予算、PC性能との相談して決めましょう。
- デュアルモニターはあった方が良いですか?
-
必須ではありませんが、あると作業効率が大きく上がります。
デュアルモニターでこのように活用すると作業効率がアップします。
デュアルモニターの活用法- 大画面でなくても、サブモニターを作業補助用に使うだけで編集が快適になる
- 1台は色精度の高いモニター、もう1台は作業用という使い分けもおすすめ
- 片方に現像ソフト(Lightroomなど)、もう片方にフォルダやブラウザを表示する




まとめ:自分に合ったモニターで感動的な写真を生み出そう
写真現像の現場では、モニターが8割を決めると言われることもあるほど、モニターは重要な機器です。
ポイントを整理すると次のようになります。
写真の使用目的 | SNS、Web中心 | プリント・フォトブック制作など | コンテスト、商業印刷、仕事で利用 |
---|---|---|---|
モニターサイズ | 27インチ以上 | 27インチ以上 | 27インチ以上 |
解像度 | WQHD以上 | 4K | 4K |
液晶パネル | IPS | IPS | IPS |
色域・色精度など | sRGB 100% | AdobeRGB 90%以上 | AdobeRGB 99% ΔE < 2 |
これに加えて、プリントする予定の方はモニターと完成品の色のズレを防ぐために、キャリブレーション対応をすると良いでしょう。
写真のRAW現像は色の表現を調整するのがメインの作業ですから、色を多彩に表現できて、正確に映し出すモニターを選ぶことが、良い写真の作品作りに直結します。
つまり、写真現像に向いた正しいモニターを手に入れることは、作品の完成度を一段引き上げるための投資になります。
この記事で理想なモニターを手に入れて、素敵な写真をドンドン世の中に生み出し、感動させてくれると僕はとても嬉しいです。
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